【完】恋の太陽、愛の月
「おお、いい感じ」
「当たり前でしょ!私とお母さんで作ったんだから!」
「なんだよ。結局おばさんと一緒に作ったのか」
「・・・だって良い物にしたかったんだもん」
「まだまだだな」
「いいじゃん!作ってあげたんだから!ほら、お代ちょーだい」
「分かってるっつの」
花束の代金を咲夜から受け取り、花束を咲夜に手渡した。
「うし、じゃあ渡しに行くか」
「え?」
咲夜は受け取った花束をもう一度私に手渡した。
何が何だか私には分からない。
「だからその花束。渡すんだよ」
「いやっえっ?誰に?咲夜の教えてる子が引っ越すから渡す花束なんでしょ?私が渡したら意味無いじゃん」
「ああ、それ嘘」
「嘘!?」
「太陽が今日からこっちに帰ってくるから。それでお前の今の力見せてやればいいんじゃないかなって思って作らせたんだよ」
「た、太陽君が・・・帰ってくるの?」
私は持っていた花束を一度落としそうになった。
でも咲夜が慌ててそれを阻止する。
「あっぶないな・・・!とにかく、電車ももうすぐ来るんだよ。さっさと行くぞ」
「う、うん」