【完】恋の太陽、愛の月
「寝ちゃってるよ笑」
「だな」
「ひなの寝顔は本当天使みたいだ・・・」
太陽はそっとひなたの頬を撫でた。
その瞬間、ひなたは幸せそうにほほ笑んだ。
どこからどう見ても幸せそうな恋人同士。
そんな二人を俺は見てられなくて視線を外した。
・・・太陽のひなたを見つめる目は純粋だ。
やっぱり太陽は太陽のまま。
「今日は本当にごめんな。咲夜」
「お前謝るの二回目だぞ」
「あははっバレたか!」
「バレてるよ」
「・・・僕ねぇ、本気で咲夜はひなのこと好きなんだとばかり思ってたんだ」
「・・・」
「ひなを見る目がすごく愛おしそうだったから」
「いつの話だよ」
「僕がまだ転校してなくて、いつも一緒にいた時!」
「そんな昔の話・・・。ああ、好きだったよ。あの時は」
ひなたへの想いはもう過去のもの。
そう自分にも思いこませるために口にした。
恋心を封印するためには色々と試してみなければ、想いがあふれ出てしまうかもしれない。
・・・だから。
「やっぱり。じゃあ僕は間違えてなかったんだね」
「昔の話だってちゃんと分かってるだろうな?」
「・・・もちろん♪」