【完】恋の太陽、愛の月
仕立て屋さんに向かう途中。
咲夜の塾の前を通りかかった。
ダブルデート以来会ってないけど、咲夜元気かなぁ・・・?
楓ちゃんとあんなにも観覧車でラブラブしてたんだし、きっと今もラブラブなんだろうなぁ。
・・・見せつけちゃって。
すごく咲夜をからかいたい気持ちもあったけど、そんな暇ないもんね。
太陽君と付き合ってから、咲夜とは全然会わなくなった。
それは咲夜も楓ちゃんと付き合い始めたからで・・・。
少し寂しい感じもする。
三人で行動していた懐かしい子供の頃。
つい最近までも三人で行動してたのに変な感じ。
「先生!教室にマフラー忘れちゃ駄目だよ!」
「ん?あ、本当だ。忘れてた」
「もー!」
「ありがとな。手、つなぐか?」
「・・・うん!」
聞きなれた声。
私は今さっき通り過ぎた塾の方を見る。
そこには咲夜と楓ちゃんの姿があった。
「ひなたさん・・・!」
「・・・ひなた」