【完】恋の太陽、愛の月
「答えて?」
「・・・え、えっと。その」
楓ちゃんは答えに迷っていた。
多分必死に言いわけを探しているんだと思う。
・・・ってことはやっぱり。
二人は世間的にあまりよくない恋人同士。
だと、私は思う。
「そういうプレイだよ」
でも楓ちゃんをかばうように咲夜が応えてきた。
「そういう・・・プレイ?何言ってんの咲夜」
「いや、何って聞いて分からない?」
咲夜は楓ちゃんをぐいっと自分の方に引っ張って耳元で囁き始めた。
「今日のテストよーくできたから、ご褒美やるよ。俺の可愛い生徒。夜は楽しみに待ってな」
「・・・せ、せんせ」
楓ちゃんはその言葉を聞いてからボッと顔が赤くなっていた。
「・・・馬鹿じゃないの」
ふいに口に出た言葉。
言うつもりじゃなかった。
別に言いたいわけでもなかった。
目の前でラブラブしたとこ見せつけられただけ。
なのに私の心は何故か揺らいでいた。
「何がプレイなの?気持ち悪い」
私の言葉を聞いて、咲夜と楓ちゃんがゆっくり私の方を向く。
二人とも少し驚いたようなそんな顔だった。