【完】恋の太陽、愛の月


「それに、教室にマフラー忘れちゃ駄目だよって楓ちゃん言ってたの聞こえてるよ。プレイだったらそこまでするはずないんじゃない?」



私はにっこり笑って二人にそう伝える。

でも、目は笑ってないと自分でも分かっていた。




「咲夜。嘘つかないで正直に答えて。楓ちゃんは本当は咲夜の塾の生徒なんでしょ?」


「・・・そうだよ。俺の生徒だ」




私はその言葉を聞いてから、つかつかと歩いて咲夜の目の前に立った。


「ひなたさん!ごめんなさい・・・隠してたわけじゃなくて、えっと。やっぱりいくら塾でも先生と生徒だから・・・その、言いづらくて。あ!でも、私高校生なので・・・!18歳です!だから先生には歳が近いから・・・えっと」


言い訳がましい言葉を私に投げかけてくる楓ちゃんをキッと睨みつける。




「言いわけが聞きたいわけじゃない」


そしてすぐに咲夜に目線を戻した。



「咲夜はどうして塾の講師になったの?」


「・・・誘われたから」


「もし高校の先生になれてても、こういうことしてた?」


「・・・こういうことってなんだよ」


「自分の生徒と付き合ってたの??付き合うの?内緒で?」


「・・・別に、今はそんなもしもの話いらないだろ」


「本当は学校の先生になりたかったのに、ならなかった理由ってもしかしてコレ?」


「何言ってんだよひなた。そんなわけ・・・」




私は思わず咲夜の頬を叩いた。
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