【完】恋の太陽、愛の月



「咲夜・・・?今のって・・・本当?」


「・・・」



ひなたをごまかすことさえ満足にできない俺。


何か言わなければ。

そう思えば思うほど何を言えばいいのか分からなくなってくる。



嘘をつくべきか。

本当のことを言うべきか。



嘘を言っても、楓が再び支えてくれるとはかぎらない。


本当のことを言っても、ひなたとどうにかなれるわけじゃない。




何が正解で何が不正解なのだろうか。



分からない。


誰も答えを教えてくれない。







「咲夜!何か言ってよ・・・!」


「・・・何、言えばいいんだよ」


「え?」


「分からないんだよ!俺にも、今ひなたに何を言えばいいか!」


「何、それ・・・」


「俺が教えてほしいくらいだ」


「楓ちゃんの言ってたことが本当かどうか教えてくれればいいだけだよっ」


「ひなた。・・・それを教えたら何か変わるのか?」





俺は無理をして少し微笑みながら言ってみた。

でも、ひなたから見れば辛そうな顔だったかもしれない。
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