【完】恋の太陽、愛の月
「どうして泣きそうな顔するの・・・咲夜」
「泣きそう?んなわけあるかよ。もし泣きそうだったとしても、ひなたには分からないだろ」
「分かるよ!!!ずっと・・・ずっと一緒にいたんだから!」
「なんだよそれ」
「咲夜が泣きそうな時とか、我慢してる時。お腹すいてる時も分かる。私には全部分かるの!!」
「・・・っ!」
俺の中で何かの線がぷつっと切れた。
「・・・だったら!!!!!」
それと同時に俺の体も動きだしていた。
「ひゃっ・・・」
「どうしてお前への気持ちは分かってないんだよっ・・・」
「・・・咲夜」
「ずっと一緒にいて俺のこと分かってるんだろ!?だったらなんで俺がひなたを好きだって分からないんだよ!」
言うつもりのなかった言葉。
俺とひなたと太陽を繋ぎとめていたものが一気に消え去った気がした。
太陽に嘘をつき、知らない所で裏切った。
でも腕の中にあるこの温もりを今だけは離したくなかった。