何者達

証言と疑惑

佑桜はまず佐田と後藤の証言から検証を考える。
｢一週間前から老人は眠っていて、起こさないでと寝ながら言っていた。
6日前、後藤さんが発見してから次の日、バンという少し大きな音がしてから、佐田君も老人に気付いた。そして佐田君はドアを締めた再にドアノブに小さな石を置いている。今日までその石はそこにあった。
もし、老人がこの部屋から出て来て石に気付いたとしても、中に入れば外側のドアノブに石は置けないか。｣

佐田が言う。
｢佑桜さん、老人がこの部屋から起きて外に出て行くような言い方をしますね…｣

｢当たり前だよ、一週間だ。普通何もせず寝てなんて居られない。
佐田君の言うバンて言う音、どんな風に聞こえたか？｣

佐田はその時に感じたままを答えた。
｢まるで銃声のようでした…｣

佑桜はやはりと思いながら言った。
｢この部屋に入った時、わずかだが火薬の匂いがした。でも撃った跡なんて無いし、老人は血なんて流して無い。ここから見える場所に銃は無い。さっき老人を起こそうとする時に調べたが、どうやら持って無い。
でも、敷き布団の下なら…｣