ストーカーですが何かっ⁉︎



私は阿井を、阿井は私を指差してその先をじっと見つめる。


でも次第にそんな光景がおかしく思えてきたのか、阿井は突然ぶっと吹き出した。






「お前、坂崎 風磨のストーカーしてんの!?電柱隠れてなにやってんだっ!」



「あ、あんただって私と同じようなもんじゃん!てかストーカーして何が悪いの?ただ純粋に好きな人のことをもっと知りたいと思っただけじゃない!」




「確かにそれは分かるけども!ストーカーの何が悪いって……はははっ!!」






とうとう阿井は腹を抱えてゲラゲラと笑い出した。


そのバカにしたような笑いが私の中の熱いものをフツフツと湧き上がらせる。




気づいたら私の拳は阿井の頬を直撃。






「ってーなー!何すんだお前っ!!」



「あんたがバカにすんのが悪いのよ」






私はそれだけ言うと阿井に背を向け早歩きで歩きだす。



何だかんだしている間に風磨くんと巻き髪女はずっと向こうに移動している。




早くあいつと喋ったせいで生じたタイムロスを取り戻さなければ。






「あ、二人ともあんな遠くに移動してんじゃん!ま、待てよっ」








私の後ろにお邪魔虫が一匹ひっついてきてるけど。






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