ストーカーですが何かっ⁉︎
「あんたもしかして……”ドブネズミ”っ!?」
「は、はあぁっ!?」
私がそう叫んだ瞬間、阿井は思いきり顔を歪ませた。
「お前っ……俺のこと”ドブネズミ”だと?!何で今日初めて会ったお前にそんなこと言われなきゃなんねえんだよ!いい加減にしろ!」
「そ、それは本当にごめんっ! でも七瀬 未羽にそう言われたのは事実でしょ?!」
「確かに言われたのは事実だけどさ……」
阿井はそこで言葉を区切る。
私もさすがに失礼なことを言い過ぎた、と口を紡ぐことにした。
そしてゆっくりと阿井の目を見ると……その瞳は揺れることなくどこかを凝視している。
……そう、私のメモ帳に向かって。
「…何でそんなこと知ってんだよ?そのメモ帳のせいだろ!見せてみろっ!」
阿井はそう言うと一瞬の隙を突いて私のメモ帳を引ったくる。
私の大事な大事なメモ帳が、
風磨くんの情報が詰まったメモ帳が……
あいつの手に渡ってしまった。
「え〜〜と、なになに……9月1日月曜日、風磨くんが友達と………」
「ちょ、泥棒っ!返してよ!!」