Dreamer
「達也、俺とデゥエットしよ!えーと、この曲で!!」

曲を選曲しながら、優は強引に達也にマイクを持たせた。

「わかったわかったから...」

〔達也、ドンマイ...〕

疲れはてた様子の達也に、私は心の中でそっと呟いた。

しかし、この二人とは裏腹に、一人暗いオーラをだしている人がいた。

「咲?元気ないけど、何かあったの?」

そう私が聞くと、顔をさらに暗くして、咲はため息をついた。

「みずきってけっこう鈍いのね...」

「どういう意味...」

「ちょっと来て!!」

「うぇっ!?」

いきなり咲は私の腕を掴んで、カラオケ部屋から連れ出した。

助けてと合図を送っても、達也はニコニコ笑顔を浮かべるだけで、優は...気づいてもいなかった。





< 18 / 45 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop