Dreamer
「早く土曜日にならないかなぁ~♪」

カレンダーにしるしを付けてから、何回言ったんだろう。

[優と遊びに行けるなんて、嬉しいなぁ!]

嬉しくて、ベットの上をくるくる回っていたとき、私は大変なことに気付いてしまった。

[もしかして、男の子と二人だけで遊ぶってことは、これって...]

「ででで、デート!?」

[どうしよう!?...あっ!!]

私は急いで携帯を取った。

「もっしもーしみずき~?」

ふざけたような声で電話に出た、咲に私は涙ながらに話し出した。

「さきぃ~!!どうしよぉっ!!!」


...2時間後。


私は駅で優に言われたことを、咲に全部話した。

「...なるほどね、デートなんかしたことがないみずきちゃんは、どうしたらいいかわからないってことですかぁ~。」

「そうなんです..。」

咲の声は、電話越しで腰に手をあてて言ってそうなイメージだった。

「よっし!私に任せて!!みずき、明日学校帰りに買い物行くよ!いいねっ??」

「あ、はい...。」

咲の勢いに負けて私はそう返事をした。



そして翌日。

私は、授業が終わって教室に向かっていた。

「みーずーきー!!」

「へっ?」

後ろを振り返る前に抱き着かれて、誰だかはすぐに分かった。

「咲、痛いって!」

「ほらっ行くよ!女の買い物!!」

下駄箱に行こうと、走りだそうとしている咲の前に立って、私は両手を前に出した。

「ちょっと待って!私の鞄、教室!それに達也と優に先帰るって言わなきゃ。」

私がそう言うと、咲は勝ち誇ったように笑った。

「ふっふっふ。それなら大丈夫なのです。みずきの鞄は持ってきたし、ほれ見てみ?」

咲は私の目の前に携帯の画面を見せた。

そこに映っていたのは、達也からのメールだった。

<ごめん、咲。
僕ら用事あるから、先に帰るね。
まぁ、そっちも"用事"あると思うけど。!(^^)!>

[見抜かれてる...!?]

「二人もどっか行ったみたいだし、うちらも行くよ!」

「うん...。」

何を急いでいるのか私が返事をしたすぐ、咲は私の手を取って走りだした。
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