Dreamer
あれから私たちは3つのルールを決めた。

<1つ目.本当の気持ちを素直に言うこと。>
<2つ目.一人で抱え込まないこと。>
<3つ目.互いに頼りあうこと。>

優は無理してジェットコースターに乗った私に、"もう無理すんなよ"と叱りながらも優しく頭をなでてくれた。


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優との楽しい時間もあっという間に過ぎていって、閉園時間まであと1時間ほどになった。

「もうすぐ終わっちゃうんだね...」

私は思わずそう言って、歩いていた足を止めてしまった。

「みずき..」

優も足を止めて、目を細めながら、私の方を見た。

[...優を困らせるなんて分かってたはずなのに。]

私は言ったことを優に謝ろうとした。

だけどそのとき、握られていた手にギュッと力が入って、そのすぐあとに、いきなり優が走りだした。

「えっ!?ちょっと優っ!?どうしたのっ!?」

そう叫んでも優は笑って"秘密~"と言うだけで教えてくれなかった。

不思議に思いながらも、優に手を引かれて私は走った。


優は真っ暗な場所で走るのをやめて言った。

「着いたよっ!」

「えっ?何にも--....!!」

"何にもないよ"、そう言おうとしたときだった。

一斉に真っ暗だった場所が光に包まれていく。

青、緑、赤...色んな色が輝いて、きれいだった。

「すごい...!!優、これ...」

私がそう言うと、満足そうに笑って口を開いた。

「きれいだろ?みずき、喜ぶかな~って。」

「そうだったんだ..!ありがとう。」

「おうっ!..本当は帰るときにでもって思ってたけど、言わなきゃいけないことができたから。」

そう言って私の手を引きながら、イルミネーションで囲まれた場所に来たとき、優は私の正面に立って話し出した。

「..さっきさ、"もうすぐ終わっちゃう"って言ったよな?」

「うん。」

「...確かに今の時間は終わっちゃうけど、大丈夫だ。」

「えっ..?」

そう小さく声を出すと、優は真剣な顔で言った。

「約束する。絶対、またみずきとここに来るって!」

「....!」

「それで、どうだ..?」

優は笑いながら、私の頭に優しく触れてそう言った。

「うん!!すっごく、嬉しいよ!」

「そっか!!」

私は心からそう言って、優と笑いあった。






この幸せな時間が、壊れてしまう日が来るなんて知らずに。
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