Dreamer
坂本先生は大きくため息をついてから、低い声で言った。

「桐谷..お前いい度胸だな。」

その一言がさらに恐怖を増加させる。

言われている意味が分からないのか、優を首をかしげていた。

「フン、その度胸がどこまで続くか見ものだな。」

そう言って先生が何やら黒板に書き始めた。

カッカッ

チョークの音がきれいなリズムを作っている。

バンッ!!

坂本先生が乱暴に黒板を叩いた。

「いいかぁっ!今日から2週間後、お前らにはテストを受けてもらう!!」



.........はい?

呆然と黒板を見ると、"新入生実力テスト"の文字。

今、私の頭の上にはハテナが何個ついていることだろう。

でもそんな状態なのは、私だけではなく...。

「「えぇ~!?」」

1年2組の生徒全員の声が、揃った瞬間だった。


「へぇ~、楽しそうじゃん!」

「「....」」

訂正しよう。
ただ一人、桐谷優を除いては...。
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