Dreamer
「ちょっ!?おまえ、何言ってんの!?いきなりテストするんだぞっ!?」

クラスメイトの男の子が声を上げた。

そんな男の子に、優は笑ってこう言いのけた。

「知ってる。ようするに、力試しってことだろ?」

「ことだろって...」

優の言葉に、男の子はそれ以上何も言わなかった。


「力試しか...まぁ、そんなとこだな。だが、わかってると思うがこの学園のテストは、勉強とかそんなテストじゃない。」

坂本先生が腕を組みながら続ける。

「ここは、それぞれ"夢"を持った人間が集まるとこだ。そして、その"夢"を追う素質があるかどうかをチェックする、それが新入生実力テストだ!!」

先生の声が教室中に響き渡る。

だいたいの生徒がその言葉を聞いてうつむいていた。

そんな生徒たちに追い打ちをかけるように、坂本先生は口を開く。


「そのテストに合格できなかった場合、退学だ。やらないやつも同じだぞ?やるかやらないか自分で決めな。」

先生はそう言うと、机の上にチョークを並べた。

その意味は、"名前をかけ"ということだろう。

[た、退学...合格できなかったら、その時点で終わりなんだ..そんなのは、嫌だ!]

私は大きく息を吸い込んでから、チョークに手を伸ばした。

「あっ..!」

だけど、私がとろうとしたチョークを誰かが先に掴んだ。

「優...。」

「みずきもやるの?」

「うん。」

真剣な顔で聞いてきた優に私はそう答えた。

優は"そっか"と返事をして素早く名前を書くと、笑顔で私にチョークを差し出した。

「一緒に頑張ろうな!」

「うんっ!!」

私はゆっくりとチョークを受け取って、自分の名前を黒板に刻んだ。


「"新入生実力テスト"

桐谷 優  松永 みずき」



---私は、絶対に叶えてみせる。

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