Dreamer
----結局、30人中テストを受けるのは12人で、半分以上が名前を書かなかった。


「まぁこんなもんか。」

坂本先生は名簿を見て、そう呟いた。

隣に座っている優は、"けっこう減ったな~"とキョロキョロしている。

「はい、松永さん。」

「ありがとう。」

前の席の人からプリントが回ってきた。

そのプリントの内容は...

「見てわかると思うが、このプリントにはそれぞれ自分の目指すものを書くようになっている。それが自分のテスト当日に発表することとなる。」

ということらしいです。

つまり、自分の書いたものにまつわることをテストの日に行って、実力をはかるってこと、みたいです。

「行うことは何でもいい。自分の"夢"を書いたやつから持って来い。これからの動きを教える。」

先生が言い終わったすぐに、優が紙を持って立ち上がった。

「んっ!さかもっち!」

「その呼び方はやめろ。」

坂本先生は渡されたプリントを受け取りながら、そう言った。

「え~?いいじゃーん!」

「桐谷。これがお前の夢か?」

先生の言葉を聞いた瞬間、優はいつもより低い声を出した。

「あぁ。それが...俺がなりたい夢。」

「ふっなるほどな。」

前を向いているから表情は見えないけど、そのとき私には優がちがう人に見えた気がした。



「坂本先生、できました。」

プリントを先生に渡す。

先生は私とプリントを交互に見て、声を上げて笑った。

「なっ!どうして笑うんですかっ!?」

「すまんすまん、意外すぎて..ふふっ!」

[謝られている気が少しもしない...]

不服に思いながらも、私は先生に話を聞かなければならない。

「もう、笑ってないで、次何したらいいのか教えてください!!」

「そうだったな。お前は...」

先生は言いながら手を顔の前でチョイチョイっと動かした。

近くに行くと先生は小さい声で言った。
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