Two dream
「よし、じゃあ、準備して!」
「え?」
「え?って今日はディナーの約束だろ?
忘れたのか?」
「…あ!そうだったね!!
ごめん、ごめん、今から準備する!
まだ間に合う?」
私がそう言うと彼は腕時計を見て答えた。
「んー、後5分だったら大丈夫。」
「え?!5分?!!
うそ!!ちょ、ちょっと待ってね!」
「うそうそ、いいよ。
ゆっくり準備しておいで。」
そう言って彼は優しく笑って私のおでこにキスをした。
私はドキドキしながら、こんな優しい人が彼氏で幸せを感じてた。
私が着替えてリビングに行くと彼は私を抱きしめた。
「今日も綺麗だよ。」
優しく笑って、私の口にキスをした。
彼はイタリアに行ってただけ
あってか、とてもストレートに物事を言う。
だから、綺麗だとか、愛してるだとか
ハグとかキスとかも自然と
愛の表現としてするんだ。
今思えば、理解できることだけど、
その頃の私にとっては
夢みる王子様のようだった。