ヒールの折れたシンデレラ
「どれどれ……」

すると今まですがすがしいまでの晴天をたたえていた美波の笑顔は突然曇りだし、みるみるうちに雷鳴を轟かせはじめた。

「うぅうわ~~~~んっ」

小さな手を握り締めその小さな体から発せられるとは思えないほどの大声を上げる。

それは千鶴が目を見開くほどで……

「どーしたのー」

ティーセット準備してキッチンからダイニングへと来た恵が声をかける。

「い、いや俺何もしてない。ちょっと見ただけだよ」

うろたえる宗治がおかしくて、宗治以外の三人はげらげらと笑う。

「娘に危険センサーが伴ってるのが証明されてうれしい限りだ」

中でも勇矢はおなかがよじれるのではないかと思うほどに笑っている。

「俺のどこが危険なんだよ……」

一人面白くなさそうに首元に手を当てる宗治を見てまた三人は大きな声で笑った。
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