ヒールの折れたシンデレラ
(3)戦うシンデレラ
千鶴はクレセントホテルの玄関で息をのんだ。
(怖がってなんていられない)
ぎゅっと唇を結んで一歩踏み出した。
フロントには寄らずに聞いていた部屋へと直行する。
エレベーターのボタンを押す指が震える。扉が開くと千鶴の覚悟も決まる。
指定された部屋のまえに来ると、呼び鈴を押す前に中から扉が開く。
ニヤニヤと嫌な笑いを浮かべた日下がそこに立っていた。
促されるようにして中に入る。覚悟を決めたはずなのに足がすくんだ。
三人がけのソファに日下が座っている。
千鶴はソファには腰掛けずに立ったままだった。
「それで、話っていうのは?」
「経理課のデータベースで言われたデータを探しているときに気になるものを見つけたんです」
千鶴はUSBを見せると、すぐに日下が手を出したが千鶴はUSBを握り締めてそれを拒否する。
「どういうことだ?」
「ここには誰かが会社のお金を流用したデータが残されていました」
経理課に五年もいた千鶴はそれがどこに流れていたのが把握をしていた。だが今それをすぐに話すのは得策ではない。
(怖がってなんていられない)
ぎゅっと唇を結んで一歩踏み出した。
フロントには寄らずに聞いていた部屋へと直行する。
エレベーターのボタンを押す指が震える。扉が開くと千鶴の覚悟も決まる。
指定された部屋のまえに来ると、呼び鈴を押す前に中から扉が開く。
ニヤニヤと嫌な笑いを浮かべた日下がそこに立っていた。
促されるようにして中に入る。覚悟を決めたはずなのに足がすくんだ。
三人がけのソファに日下が座っている。
千鶴はソファには腰掛けずに立ったままだった。
「それで、話っていうのは?」
「経理課のデータベースで言われたデータを探しているときに気になるものを見つけたんです」
千鶴はUSBを見せると、すぐに日下が手を出したが千鶴はUSBを握り締めてそれを拒否する。
「どういうことだ?」
「ここには誰かが会社のお金を流用したデータが残されていました」
経理課に五年もいた千鶴はそれがどこに流れていたのが把握をしていた。だが今それをすぐに話すのは得策ではない。