ヒールの折れたシンデレラ
(4)千の鶴
いつも残業続きの千鶴だったが今日に限っては定時になると、パソコンの電源をおとして帰り支度をはじめた。
勇矢に定時での退社する旨を伝えると、念のため宗治にも確認するように言われた。
バッグを持ったまま常務室のドアをノックして中を確認しても宗治はおらず引き返す。
途中今朝、艶香と話をしていた階段から声が聞こえる。
意識せずに視線を向けるとそこには、艶香と宗治が二人でなにやら話をしているようだ。
すぐに話し終わるようであれば勇矢に言われたように、宗治に急ぎの案件がないか確認しようと思いその場で少し待つ。
しかしそこで思いもよらない光景を目にした。
艶香の腕が宗治の首に絡みつき、次の瞬間二人の顔が近づく。
背中を向けている宗治の表情はわからないが、艶香はつま先立ちで顔を傾け宗治の顔にかぶっている様子から間違いなく二人の唇が密着していることがわかる。
千鶴は驚き、手にしていたバッグをその場に落としてしまう。
その音に気が付いた二人がこちらに視線を向けた。
動揺して思わず二人をみつめてしまう。
そして次の瞬間バッグを持ち「お先に失礼します」と声をかけてエレベーターへと一目散に駆けた。
勇矢に定時での退社する旨を伝えると、念のため宗治にも確認するように言われた。
バッグを持ったまま常務室のドアをノックして中を確認しても宗治はおらず引き返す。
途中今朝、艶香と話をしていた階段から声が聞こえる。
意識せずに視線を向けるとそこには、艶香と宗治が二人でなにやら話をしているようだ。
すぐに話し終わるようであれば勇矢に言われたように、宗治に急ぎの案件がないか確認しようと思いその場で少し待つ。
しかしそこで思いもよらない光景を目にした。
艶香の腕が宗治の首に絡みつき、次の瞬間二人の顔が近づく。
背中を向けている宗治の表情はわからないが、艶香はつま先立ちで顔を傾け宗治の顔にかぶっている様子から間違いなく二人の唇が密着していることがわかる。
千鶴は驚き、手にしていたバッグをその場に落としてしまう。
その音に気が付いた二人がこちらに視線を向けた。
動揺して思わず二人をみつめてしまう。
そして次の瞬間バッグを持ち「お先に失礼します」と声をかけてエレベーターへと一目散に駆けた。