ヒールの折れたシンデレラ
あくる朝、千鶴は和子に呼ばれて会長室へと来ていた。
こうやって何度かこの部屋に呼ばれて現状報告のようなものをさせられている。
「お座りなさい」
「失礼します」
声をかけて革張りのソファに腰を下ろす。
「で、その後うちの孫はどうかしら?」
「……どうかしら?と言われてもですね。ご本人にまったく結婚のご意思がございませんでして……」
「そんなこと知ってるわよ」
にっこりと笑う顔が怖い。
「進展はありません」
うつむいて報告する。
「何もないの?」
そう聞かれて思い出したように千鶴は話す。
「そういえば、激しかった女性遊びをしなくなりました。私の知ってる限りですけど」
「そう?それで?」
嬉しそうに身を乗り出してくる和子。
「え?それだけです。後処理しなくてよくなったので仕事がはかどります」
こうやって何度かこの部屋に呼ばれて現状報告のようなものをさせられている。
「お座りなさい」
「失礼します」
声をかけて革張りのソファに腰を下ろす。
「で、その後うちの孫はどうかしら?」
「……どうかしら?と言われてもですね。ご本人にまったく結婚のご意思がございませんでして……」
「そんなこと知ってるわよ」
にっこりと笑う顔が怖い。
「進展はありません」
うつむいて報告する。
「何もないの?」
そう聞かれて思い出したように千鶴は話す。
「そういえば、激しかった女性遊びをしなくなりました。私の知ってる限りですけど」
「そう?それで?」
嬉しそうに身を乗り出してくる和子。
「え?それだけです。後処理しなくてよくなったので仕事がはかどります」