ヒールの折れたシンデレラ
「次は私ね」
そういってグラマラスでセクシーな女性が声をあげた。女の千鶴からみても女性としての魅力があふれている。
少し明るめの髪はきれいに巻かれていて、バチバチの長い睫がくるりと上を向いている。
唇は口角が少し上がっていて、厚めの唇にはきれいな色のグロスが塗られていた。
「後藤艶香(ごとうつやか)です。会長の秘書をしております。仕事はあまり得意じゃないの。だからあんまり頼りにしないで」
上司である勇矢の前で悪びれもなくいう姿は潔くて気持ちいいほどだ。
確かにデスクのうえのノートパソコンは閉じられたままで代わりに大きな鏡がのっていた。
思ったことははっきり言うタイプみたいだな。
千鶴がそう考えているうちに「次は瀬川さん」と勇矢に促され、あわてて自己紹介をする。
「瀬川千鶴です。この会社で昨日までは経理課にいました。急に秘書課に配属になって驚いています。社歴だけは長いので何かあったら何でも言って下さい」
にっこりと笑いかけて自己紹介を終わらせた。
「それで瀬川さんの担当なんだが、葉山常務の第二秘書をしてもらうことになりました」
園美はコクンと頷いたが、華子は不服そうだ。艶香に関してはこちらをに睨んでいる。
千鶴が理由を聞こうと口を開きかけたそのとき、華子が変わりに声を上げだ。
「納得できません。葉山常務は今まで第二秘書は設けていませんでしたわ。それなのに今さらどうして。それにこの方に十分な資質と能力があるようには思えませんけど」
唇をかみしめ、千鶴を睨む。
初日から嫌われてしまった。できるだけ円滑に物事を進めたいタイプの千鶴だか、最初から敵意をむき出しにされては馴染めそうになかった。
「これは葉山常務の決定したことです。人事に関しては会長より常務と私に一任されています。常務の御考えに何かご不満でもおありですか?」
口調は優しいのに、どこか有無を言わさぬ勇矢に華子も引きさがるしかない。
「それではお話はここまで。瀬川さんは常務のところへ」
そう言われて全員が各々の仕事にとりかかった。
そういってグラマラスでセクシーな女性が声をあげた。女の千鶴からみても女性としての魅力があふれている。
少し明るめの髪はきれいに巻かれていて、バチバチの長い睫がくるりと上を向いている。
唇は口角が少し上がっていて、厚めの唇にはきれいな色のグロスが塗られていた。
「後藤艶香(ごとうつやか)です。会長の秘書をしております。仕事はあまり得意じゃないの。だからあんまり頼りにしないで」
上司である勇矢の前で悪びれもなくいう姿は潔くて気持ちいいほどだ。
確かにデスクのうえのノートパソコンは閉じられたままで代わりに大きな鏡がのっていた。
思ったことははっきり言うタイプみたいだな。
千鶴がそう考えているうちに「次は瀬川さん」と勇矢に促され、あわてて自己紹介をする。
「瀬川千鶴です。この会社で昨日までは経理課にいました。急に秘書課に配属になって驚いています。社歴だけは長いので何かあったら何でも言って下さい」
にっこりと笑いかけて自己紹介を終わらせた。
「それで瀬川さんの担当なんだが、葉山常務の第二秘書をしてもらうことになりました」
園美はコクンと頷いたが、華子は不服そうだ。艶香に関してはこちらをに睨んでいる。
千鶴が理由を聞こうと口を開きかけたそのとき、華子が変わりに声を上げだ。
「納得できません。葉山常務は今まで第二秘書は設けていませんでしたわ。それなのに今さらどうして。それにこの方に十分な資質と能力があるようには思えませんけど」
唇をかみしめ、千鶴を睨む。
初日から嫌われてしまった。できるだけ円滑に物事を進めたいタイプの千鶴だか、最初から敵意をむき出しにされては馴染めそうになかった。
「これは葉山常務の決定したことです。人事に関しては会長より常務と私に一任されています。常務の御考えに何かご不満でもおありですか?」
口調は優しいのに、どこか有無を言わさぬ勇矢に華子も引きさがるしかない。
「それではお話はここまで。瀬川さんは常務のところへ」
そう言われて全員が各々の仕事にとりかかった。