向日葵


ガチャ。


病室のドアを開ける。


部屋の中には見覚えのある小柄のふんわりとした女の人が椅子に座ってた。

あれはきっと…佐倉先輩だ…


私達に気づいた佐倉先輩がゆっくりとこっちを振り返った。目には涙がたまっててその涙が零れ落ちないように下唇をかんで必死にこらえてた。

佐倉先輩は椅子から立ち上がり迷いもなく姫川先輩に抱きついた。

姫川先輩がきて安心したのか佐倉先輩の目からボロボロと涙が零れ落ちた。


それに答えるように姫川先輩も佐倉先輩を強く、愛おしそうに抱きしめた。


ふと奥から声が聞こえた。


「…南?」


公介の声だ。




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