向日葵



私は学校に行かず公介のいる病院へ向かった。


まだ8時だからか公介は眠っていた。

そこで私の目から涙が溢れだした。
声を出さずに、静かに。


...私は公介の隣にある椅子に座った。


『公介...』


小さく呟いた私の声に反応した公介がゆっくりと目を開けた。


公介はゆっくりと体を起こし優しい目で私を見つめた。そして静かに私の名前を呼んだ。


「もえ?」


「何か、あったのか?」


私は小さく首を横に振る。


「手...」


公介は私の右手にそっと触れた。


「どうした?」


斗真でさえ気づいてくれなかった。
なのに公介はすぐに気づいてくれた。


「泣くなよ...な?」






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