向日葵


「保健室までついてってやるから…行こう」

「えっ、あの…はい!」

その子は戸惑いながらちょこちょこと俺のあとをついて来た。
小さくて可愛くてその子を見ていると何故か心が安らいだ。
初めてあったのに初めて会った気がしなかった。

保健室に入ると誰もいなかった。

「あの、私自分でできますよ?」

遠慮がちに俺にそう言ってきた。
だけど何故かその子をほっておけなかった。

「足出して…」

「え、あの…」

「いいから…」

「は、はい!」

「いたい?」

「大丈夫です!」

絶対に痛いのにその子は笑っていた。

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