私と敵と好きな人と



誰よりもゆっくり話す彼。


それはもちろん李音の彼氏の千尋で。


「え?どうしたの、千尋?」


千尋が私に話しかけるなんて、珍しい。

だって李音ぐらいしか話さないしね……


『あのさぁ……』


「うん?」


周りの皆は私より前で歩いている。


多分聞いてはダメだと判断して前に出たんだろう。


< 132 / 255 >

この作品をシェア

pagetop