私と敵と好きな人と
「……?!は、離してよ!」
『あんな事言われても李音は言い返せるだろ!
そんな時にお前が行ってどーすんだよ、バカ』
冷たく放たれた言葉に負けて、走り出せなくなった。
…例え走り出したとしても、この…バカが手を離してくれないだろう…
『あのねぇ………』
そしたらまた、声が向こうから聞こえた。
怒りが積もったこの声は間違いなく李音だ
『あたしはちゃんと告白して、OKもらったの!!
あんたらみたいな告白すらしてない人に言われたくない!』