ノーチェ


「ま、考えといて。」

と言いながら
単車に跨がった薫は
もう一つのヘルメットをあたしに手渡した。



「飯、食いに行こうぜ。」

「うん。」

あたしも、薫から受け取ったヘルメットを被って後ろに跨がる。




ここ最近、菜月や啓介くん達と居るよりも
こうして薫と二人で居る事が多くなった。


菜月と啓介くんが付き合ってるから、というのもあるけど
遠慮とかじゃなくて

薫と二人で居る方が
何だか安心出来る自分がいて。



菜月達は海に行ったり
映画を見たり、互いの時間を深めているけれど

あたしと薫は
ただご飯を食べに行ったり、バイクで走ったりと特に何をするって訳じゃない。




既に、二人で居るのはごくごく当たり前のようになってた。




< 126 / 306 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop