ノーチェ


それからラーメン屋をあとにしたあたしと薫は再びバイクに乗って
国道を走る。


髪を揺らす生温い風が
薫の香水をなびかせた。



しばらくして
薫と出会ったあの店が遠目に見えた。

合コンで、あたしは薫に嫌味を言われて。



『あんた、彼氏居るのに合コン?』

…人と人との巡り合いって、本当に不思議だ。

もう二度と会う事なんてない、そう思ってたのに今じゃ誰よりも同じ時間を過ごしてる。


薫とあたしとの間に流れる空気は
決して恋人とは違う。

まして、友達とかそうゆうのでもなくて。





例えて言うならば

『同士』って言葉が一番近い気がする。



薫はあたしの理解者でいてくれるし
あたしも、薫の理解者でいたいと思う。



もちろん、お互いの距離感も忘れずに。




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