ノーチェ
…想いの、行方
どこからか、突き刺すような日の光があたしを照らす。
それに目を細めながら
重たい体をゆっくりと起こした。
遠くで携帯のアラームが鳴ってる。
…あぁ、止めておくの忘れてた。
のそのそとベッドから降り、寝癖だらけの頭を整えながらソファに置いてある携帯を取りに向かう。
そんな時だった。
「きゃあっ!」
何かを踏み付けて、転びそうになったあたしは寸での所で棚に手を掛けて転倒を免れた。
「……ってぇ~…。」
下から声がする。
「お前、もう少し優しく起こせよ…。」
「薫!ご、ごめん!」
てか何でうちに薫が!?
ガツン、と頭を鈍器で殴られたような鋭い痛みが走る。
そっか、あたし
昨日薫と飲んでて…。
……で、どうしたんだっけ?