ノーチェ
「ご飯?」
菜月の言葉に首を傾げるあたし。
「そうそう。ほら、この前、薫くんに料理教えてもらったんだけどさぁ。」
「あー、菜月、料理てんでダメだもんね。」
んもぅ!と膨れる菜月にあたしは笑った。
「でね、今日薫くん帰って来るんだって!」
「え?来週じゃなかったっけ?」
「そうだったんだけど、急遽帰って来るらしいよ!」
と言った菜月は、ポケットから携帯を取り出してあたしに見せた。
「啓介からのメール!」
「菜月、店長に携帯持ち込み禁止って言われてるでしょ?」
いーじゃん!と、むくれる菜月に溜め息を落としてあたしはメールの本文を読んだ。
【薫が急遽、帰国するって。みんなでパーティーしようぜ!】
…本当に、帰ってくるんだ。