ノーチェ


あの日、4ヵ月振りに話をしてから
再びあたしと薫は連絡を取り合うようになった。

以前程、頻繁ではないけれど互いに尊重し合いながら、色んな事を話し合う。



メールにイタリアの写真を貼り付けて送ってくれる薫のメールは

異国で頑張る彼の姿を、直にあたしに伝えてくれた。



薫が頑張ってる、と思うとそれだけであたしも頑張れるような気がして。


だけどそれが『恋』なのか、と聞かれると
正直まだわからない。




でも確実に、あたしの心は変化してると思う。


あたしはやっと、初めの一歩を踏み出そうとしていた。




「すみません、花束作って頂きたいんですけど。」

「はい、どんな花束に致しますか?」




―――そう、あたしは

桐生さんに
別れを告げると、決意したんだ。




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