ノーチェ
「寒かっただろ?まだ肉残ってんぞ。」
桐生さんとの電話を終えて戻ると、薫がいつもの笑顔で迎えてくれる。
「…うん、じゃあ食べようかな。」
本当は食欲なんてなかったけど、薫や菜月達に心配をかけないように、無理矢理笑顔を作って腰を降ろした。
「莉伊~、乾杯しよぉよぉ!」
「菜月、お前いつも飲み過ぎなんだよ!」
既に酔っ払ってる菜月からビールを奪い取る啓介くん。
そんなに長い間、電話してた訳じゃないのに
菜月のお酒の弱さは、あたし達の中でもピカイチで。
それに加え、酒癖も悪いときたもんだから厄介すぎる。
「うぅ~…啓介ぇ、気持ち悪いかもぉ…。」
「マジかよ!頼むからここで吐くなって!」
そんな菜月を抱えて啓介くんはトイレへと行ってしまった。