ノーチェ
――生きる事。
それは傷つけて、傷つけられて
それでも尚、幸せを求める事。
不安に揺れる日々も
悲しくて苦しくて泣いた夜も
嬉しくて笑ったあの過去も
それは全て、生きてきた自分の証。
ねぇ、薫。
あたし達は、これからどのくらい同じ時間を二人で過ごせるのかな。
その中で、また傷つけ合ったり、赦し合ったり
きっと、幸せな事ばかりがある訳じゃないけれど
それでも、薫。
あなたとなら。
そう、あなたが隣に居てくれれば
あたしはいくらでも強くなれるような気がするんだ。
そして、最後の最後がきたその時。
あたしは、感謝を捧げるの。
あなたと過ごした、全ての日々に。
あなたに出会った、あの夜に。
終わらない、夜のような優しさをくれた
あなたへ。
fin,