ノーチェ

桐生さんに会わない日々が続き、今日でちょうど二週間が経った。



朝まで一緒に居たあの日から、桐生さんの連絡は途絶えて

もしかしたら、このまま連絡なんてないのかもしれない、そう考える。



会いたい。

想いは募るけれど
あたしは彼の連絡先も知らないし、会いに行こうにも彼の住んでる場所すら知らない。



『家内の親父さんが倒れたんだ。』

もしかしたら、それで今は取り込んでるんだと寂しさを隠しながら自分に言い聞かせた。



桐生さんのおかげで
あたしはだいぶ我慢強くなったと思う。




「ねぇ、莉伊。」

考え事をしてたあたしに菜月が話を振ってきた。



「男の浮気って、どこまで許せる？」

「え？」


突拍子もない菜月の質問に、あたしの目が点になる。