I Know~俺たちは諦める恋ほど、溺れるように愛し合う~
【翔也】
夕食を食べた後、リビンク寛いでいた。
「明日からまた、3人暮らしだな…」
「……」
「どうした、高野?」
乃愛の顔を覗(のぞ)き込む。
「ねぇ、先生」
「ん?」
「お姉ちゃんこと、どのくらい好き?」
「え…?」
「どうして、お姉ちゃんと先に出逢ったの?」
「おい、高野。なにを言って…」
乃愛が俺の服を強く掴む。
「どうして…私…先生を好―――」
…乃愛。
お前も俺と同じ『気持ち』なのか!?
俺は気づけば、乃愛を抱き締めていた。
「んなこと、俺にだって…わかんねぇよ!俺だってお前のことが―――」
…好きだ。
言葉の代わりに唇を塞いだ。
「んんっ…ふっ…」
激しく舌同士が絡み合う。
「好き」、「愛してる」が伝わるように…
「抱いて…1度でいいから…」
乃愛は俺の目を見て言った。
俺たちは知ってる。
この行為が『裏切り』である事を…
それでもいい。
1度でいいから、君の肌に触れたい。