I Know~俺たちは諦める恋ほど、溺れるように愛し合う~


【翔也】


朝。


俺たちは手をしっかりと、絡めたまま眠っていた。

「おはよ」

「おはよ…」

目が覚めると、乃愛は恥ずかしそうな顔をして体を起こした。

「身体は大丈夫か?」

乃愛は『初めて』なのに手加減ができなかった。

「うん…」

俺は愛実を裏切ってまで、乃愛を深く溺れるように愛してしまった。

諦めなければいけない恋なのに…

「後悔はしてないか?」

「後悔はしてないよ。翔也が私のことをどれだけ『大切』に思ってるか、ちゃんと伝わったから…」

「乃愛」




「好き」、「愛してる」を言葉にしなくても伝わるように…



お互いにどっちらからでもなく、キスをした。




これが『最後のキス』…





想いが通じ合っていれば、きっと俺たちは大丈夫。



絡めていた手をそっと離した。










< 7 / 14 >

この作品をシェア

pagetop