先生と呼ばないで【完】
プロローグ




ある晩、BARに飾ってあったひとつの大きな絵画に、私は吸い込まれそうになった。




それにはキャンバスいっぱいにいろんな青系の色が塗られていて。



そこにイルカが一匹描かれているだけだったんだけど、




それはそれは見たことのない綺麗な色で。




私は思わず涙が出た。



自由に、優雅に泳いでいるはずのイルカが、少し寂しそうだったから。


切なくて胸がギュッと締め付けられた。



私はその時酔っていたせいか余計に涙もろくなり、止まらなくなった。









< 1 / 176 >

この作品をシェア

pagetop