先生と呼ばないで【完】
プロローグ
ある晩、BARに飾ってあったひとつの大きな絵画に、私は吸い込まれそうになった。
それにはキャンバスいっぱいにいろんな青系の色が塗られていて。
そこにイルカが一匹描かれているだけだったんだけど、
それはそれは見たことのない綺麗な色で。
私は思わず涙が出た。
自由に、優雅に泳いでいるはずのイルカが、少し寂しそうだったから。
切なくて胸がギュッと締め付けられた。
私はその時酔っていたせいか余計に涙もろくなり、止まらなくなった。
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