先生と呼ばないで【完】
「集中してるところごめんね…八神君少し水分補給した方が…」
「あー…うん」
ペンを置くとペットボトルの水をごくごくと飲んだ。
そこでようやく汗をぬぐっていた。
「すごい汗だね…」
「描きはじめると止まんなくてさ…それにこの絵は絶対完成させたいから。今度は誰にも邪魔されたくねぇ」
絵への情熱がすごく伝わってくる。
この人は本当に描くのが好きなんだ。
八神君は着ていたシャツを目の前で勢いよく脱いだ。
ほどよく引き締まった上半身が露わになる。
私はどこを見ていいのかわからなくなり…
ど、どうしよう…
見たいけど、見れない…
思わず俯いてしまった。
すると八神君が私に近づいてきた。
「小春ちゃんも疲れた…?」
そう言って私の頭の上に手を乗せて顔を覗きこんできた。
「つ、疲れてないよ…」
「そ?無理しないで言えよ?俺集中すると周り見えなくなっから…」