先生と呼ばないで【完】
「やっぱり作ってもらって正解だったな!マジでうまかった」
隣でお腹を押さえながら喜んでいる八神くん
「そう言ってもらってよかった…」
「小春ちゃん、疲れてる?」
「え?なんで…」
「今日なんかいつもとちがくね?俺無理させちゃってない?」
「べ、別に…大丈夫よ」
無理やり笑顔を作った。
絵が完成するまで、余計なことは考えさせたくない。
食べ終わった食器を重ねてキッチンへ持っていくと、八神くんも皿を持ってきてくれた。
「洗い物は俺がやるからさ、少し休んでなよ」
「え、あっ…うん」
八神くんは慣れた手つきで食器を洗っていた。
いつも家政婦の人とかがやってるんじゃないのかな…
「俺さ、前は結構夜遊びとかしてたじゃん?それでもシェフは俺のご飯をちゃんと用意してくれてたのよ。だから遅く帰ってきてもそれはちゃんと食って、皿は自分で洗ってた」
「そうなんだ…だから慣れてるのね」