先生と呼ばないで【完】
1週間ぶりの学校は、少し怖かった。
私と八神くんの噂が広まっていたらどうしよう…という心配があったから。
でも生徒たちの態度は以前と変わらなくて。
私は1週間出張に行ってたということになっていた。
私たちのこと、本当に誰も知らないの…?
私たちが抱き合っていると告げ口した生徒は一体誰なんだろう。
この日、八神くんは姿を見せなかった。
ガッカリした気持ちもあったけど、少しほっとしている。
まだ八神くんのことを忘れられていないし…今彼の姿を見たら、きっと泣いてしまうかもしれない。
八神くん、まだ絵が完成してないのかな…締め切りって確か明日なはず。
「先生ー!」
英語の授業が終わり、教室を出る時3人の女子に呼び止められた。
みんなニヤニヤした顔をしている。
もしかして…八神くんのことで何か言われるんじゃ⁉︎
「先生もやるよねぇ〜‼︎松原先生と結婚するなんてさー!」
それは思いもよらない言葉だった。
「え⁉︎」
「隠さなくてもいーよ〜!付き合ってるんでしょ?」