先生と呼ばないで【完】
職員室に戻ろうとした時、校長室の方がなんだか騒がしかった。
職員室では、先生たちが至る所で固まって話をしている。
何かあったんだろうか。
すごく嫌な予感がする。
「あっ、斎藤先生!大変ですよ!」
近くにいた先生が血相を変えて言った。
「斎藤先生のクラスの八神隼人が休学するそうです!」
持っていた教科書をバサバサと床に落としてしまった。
八神くんが…休学⁉︎
うそ、何かの間違いでしょ?
「それって…私との噂のせいじゃ…」
「あっ…違うみたいですよ⁉︎今父親がきていて、なんか辞めさせたいとかなんとか言ってきたようで…」
えっ…どうして⁉︎
やっぱり私のせいなんじゃ…
動揺している暇はない。
私は一目散に校長室へと向かった。
校長室には担任の緑川先生と、校長、教頭、そして八神くんと、その父親らしき人がいた。
この人が…八神くんの父親⁉︎
背が高くて雰囲気が似てる…
いや、でも八神くんはこんな冷たい目をしていない。