先生と呼ばないで【完】
「そうか…ならいいが。斎藤先生…でしたっけ。あなたが隼人のために一生懸命動いてくださったのには感謝いたします。今までそのような教師はいませんでしたからね」
周りの先生方が申し訳なさそうに俯く。
父親が続けて話し始めた。
「私が隼人のことを全く考えてないわけじゃないんですよ。でもね、今はどうしてもこいつの力が必要なんです」
「休学させてもですか?あと半年で卒業なのに…待ってくださらないんですか⁉︎」
「ちょっと急がなくてはいけなくてね…隼人だって承知していることなので。これ以上、私たち家族の問題に口出ししないでいただきたい」
承知してるって…
八神くんは相変わらず私の方を見ようともしない。
本気なの⁉︎
今すぐ八神くんの考えが知りたい。
でもここでは聞き出せない…
そのあと私は校長室から追い出されるように廊下へ出た。
頭が混乱していて…考えが追いつかない。
この前水族館で会った時は何も言ってなかった…この短期間で何があったの⁉︎