先生と呼ばないで【完】

放課後になっても、八神くんから連絡はない。

職員室では八神くんの休学の話で持ちきりだった。

もう、止めることはできないんだろうか…

私から連絡はしないと自分の中で決めていたけど、気になって仕方がない。


自宅アパートの近くの公園で、私は八神くんに電話をした。


5コール目で八神くんの声がした。


「八神くん⁉︎」


『はい』


やけに落ち着いた返事をされて、どきっとした。
どうしたの…まるで別人になったみたい。


「休学の話だけど…あなた本気なの?どうしてこういうことになったのか説明してほしい」


『あー…うん、前から考えていたことだから。言わなかっただけで。ごめんね?』


「でもっ本当にそれでいいの⁉︎なんかあったんじゃ…」


恋人としてじゃなく、ひとりの教師として八神くんの力になりたい。
ひとりで悩まないで、相談してほしい…


だけど、八神くんの返事は予想外のものだった。

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