先生と呼ばないで【完】
「うん、そうだけど?」
「なら!満点とって当たり前じゃない!…なんでそんな卑怯な事…」
「卑怯?センセーが俺の事知らなすぎなんでしょ。普通センセーならそんくらいわかってるはずだけど」
そう言われて、何も突っ込めなくなった。
確かに、八神君の事、京平からちょっと聞いただけで深い事情までは知らなかった。
でもまさか、イギリス育ちだったなんてっ
「じゃ、そーゆーことで。約束は守ってくれるでしょ?」
「………ええ」
私はしぶしぶポケットからスマホを取り出した。
まぁ…教えるだけだし。
何にもならない…よね?
赤外線で送ると、八神君は勝ち誇った顔をした。
「これからなんか用あるとき電話するから。すぐに飛んできてよ?」
「え!?何それっ」
「生徒が困ってる時はすぐ駆け付けてくれるんじゃないの?」