先生と呼ばないで【完】
「……」
ヤラレタ。
こいつ、私が嫌だと言えないからって…
ほんっと悪魔っ…
「変な事で呼んだら…ただじゃおかないわよ」
「フッ……大丈夫。心配すんなって」
この余裕の表情がムカつくんだけど。
八神君が出て行ったとたん、フッと肩の力が抜けた。
―――――――…疲れる。
教頭からは“この調子で頑張ってね”と言われたけど…
こんなんじゃ私の身が持たないかもしれない。
…でもこのままやられっぱなしも、私の気が済まないし。
ここまで来たら、八神君のあの、ひん曲がった根性を叩き直してやりたいっ…
一人の生徒として、立派に卒業させてやるんだから。
私は密かに闘志を燃やしていた。