先生と呼ばないで【完】
「え…八神君の事知ってるんですか!?」
「ああ…知り合いだけど…ほら、さっき言ってた、この絵を描いた奴だよ」
そう言ってマスターが絵を指さす。
え…
この絵を描いたのか八神君!?
信じられなくて言葉が出てこない。
「あいつ最近じゃ顔見せなくなったなぁ…お客さんからもたまにはここに来るように言ってよ」
「え…あ…あの…」
彼は未成年です!!と、叫びたかったけど、あまりに驚きすぎて声も出なかった。
こんなにすごい絵を描けるなんて。
でも八神君は美術部などに入ってるわけではない。
才能があるなら、美術部にでも入ればいいのに…
絶対賞をとれるはず。
「ねぇ小春……クラブに行くの!?あたしもついて行ってあげようか?」
智子が心配そうな顔をしていた。