先生と呼ばないで【完】
「ううん、大丈夫!私の生徒だもん、一人でなんとかできるから」
「…そう?心配だけど…なんかあったらすぐあたしか、松原先輩に電話するんだよ!?」
「オッケー。ありがとね」
私達はBARの前で別れた。
正直、不安でしょうがないけど。
私が更正させなくて誰が八神君を更正させるのさっ!?
気合を入れてタクシーに乗り込んだ。
クラブ前では派手な若い子達が沢山いて。
OLっぽい格好している自分は、なんだか場違いのような気がする。
…ここに八神君がいるはずなんだけど。
クラブの中に入ると、耳が割れそうなくらい大きな音が鳴り響いていた。
週末という事もあり、人が物凄く多くて、この中を探すのは容易ではない。
「あのっすいません!八神隼人って知りませんか!?」
とりあえず話しやすそうな人に声を掛けてみるが、みんな知らないと言う。