先生と呼ばないで【完】
解ける心
週が明けてから、八神君は学校に姿を見せなくなった。
学校には体調不良と連絡が入ってるらしいけど。
本当なのかわからない。
この前…私なんかまずいことを言っちゃったのかな…
私はまだ八神君の番号を知ってるわけだし…このまま来ないようなら電話してみるのも手かも…
放課後、そんな事を考えながら廊下を歩いていると、京平と出くわした。
「きょ、…あ、松原先生!」
京平は私を見て、フッと笑みを浮かべた。
「今は誰もいないんだし、京平でいいよ」
「でも…癖つかないようにしなきゃ」
「……そうだね、斉藤センセ」
学校での京平は、いつも私の前で見せる顔とは全然違う。
クールで、身のこなしがスマートで…
大人の男って感じが、すごくカッコいい。
こんなこと仕事中に思う私って教師失格だよね…