先生と呼ばないで【完】
解ける心




週が明けてから、八神君は学校に姿を見せなくなった。


学校には体調不良と連絡が入ってるらしいけど。


本当なのかわからない。


この前…私なんかまずいことを言っちゃったのかな…



私はまだ八神君の番号を知ってるわけだし…このまま来ないようなら電話してみるのも手かも…




放課後、そんな事を考えながら廊下を歩いていると、京平と出くわした。




「きょ、…あ、松原先生!」




京平は私を見て、フッと笑みを浮かべた。



「今は誰もいないんだし、京平でいいよ」



「でも…癖つかないようにしなきゃ」



「……そうだね、斉藤センセ」




学校での京平は、いつも私の前で見せる顔とは全然違う。


クールで、身のこなしがスマートで…

大人の男って感じが、すごくカッコいい。


こんなこと仕事中に思う私って教師失格だよね…


< 35 / 176 >

この作品をシェア

pagetop