先生と呼ばないで【完】
「でも八神君なら実現できると思うの、すごく絵が上手で…」
「……そんなの無理だろ。跡継ぎとして育てられてんだから」
あ………
“世界各国にホテルを所有してるYAGAMIグループの跡取り息子らしい”
京平が前に私に言ってた。
「だからって…八神君が夢を諦めるなんて…」
「もうあいつの未来は決まってる。夢に振り回されてる時間なんてないんだよ」
「……そんな」
「…だから小春もそんなにアイツの事で悩まなくても、なんとかなるさ」
「………」
京平は私の頭を自分の胸に引き寄せた。
「いくら生徒でも、小春にそんな顔させるのは面白くないなー」
「えっ…、京平ここ学校…」
「大丈夫、誰も見てないよ」